Moka Yoshino

黒についての色彩心理

 

黒についての色彩心理

光の実る木と鹿の神様

こんばんは、絵描きの吉乃モカです。

 

 

今回は黒についての色彩心理について

見ていきたいと思います。

 

以前私の記事でも取り上げましたが

黒は高級感、威厳、重厚感

威厳を与える効果があります。

 

 

以前の記事はこちらから

こんな意味があるの?色の意味と与える影響

 

ここから黒についてもう少し

考えていきたいと思います。

 

黒の心理的な影響

黒猫の画像

 

 

黒は彩度と明度が他の色の中でも最も低く

他の色を吸収、遮断するという影響力があり

色の中では一番重みがあり強さのある色とされています。

 

 

こういった他の色とは違う性質が高級感や

「威厳」や「ぶれない芯の強さ」という印象につながり

それが黒のポジティブな効果なのだと考えられます。

 

また一方では「お先真っ暗」という言葉があるように

その他の色とは違う性質が

場合によっては底知れぬ不安感だったり、恐怖感を感じる

といった印象にもつながるという人もいらっしゃるかもしれません。

 

このようにポジティブとネガティブ両方の意味がある黒ですが

これは個人が今までに体験したことや、記憶や知識、性別や生活の環境

色を見た時の心理状態によっても色に対する感情というのは変化します。

 

また、黒は死を連想するとも言われますが

この点に関しては心理的というより文化的な影響が強いように思われます。

 

例えばお葬式の喪服の色や、死神の服の色と聞いたとき

真っ先に黒を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか

 

 

黒はそういった印象が強いため

色に対する感情として現れるのだと思いました。

 

ですが私がここで大事だと思うのは

黒という色自体にはポジティブもネガティブもないということです。

 

ただ黒を見た時の自身の気持ちのあり方で

その色の効果というものを決めるのではないかと思いました。

 

 

 

色彩論における黒

そもそも黒という色とは何なのか

色彩について研究された方の黒に対する見解を見てみたいと思います。

 

ニュートン曰く黒とは「色でなく光のない状態」と述べており

ゲーテは「闇は光と同じように存在する、光が強くなれば影もその分強くなる

色彩は黒と白の結婚」なのだと述べています。

つまり光と闇は表裏一体であり、他の色彩は光と闇の中に含まれているという考えです。

 

ニュートンは黒という「色」は存在しないという立場ですが

ゲーテは黒という色も存在するという立場からの見解を述べています。

 

シュタイナーの色彩論でも黒という色は存在するとして

「黒は死者の精神を表す色でもあり、光が当たる事で浮かぶ像の色

いわば月の光り方である」と述べています。

 

つまり黒は黒自身では光ることが出来ず

「光」というものが当たることで初めて黒という色が認識できるのです。

 

こういった3者の文献からも黒という色は

赤や黄色などの他の色とは違った認識だという事がうかがえます。

こういう意味でも黒とはやはり特別なのかもしれませんね。

 

 

 

まとめ

ネガティブなイメージのある色でもありますが

ある人にとっては暗い色だなぁと思っても

ある人にとっては強さを与えてくれる色でもあり

色そのものがネガティブでもポジティブな訳ではなく

その人がどう捉えるかによって全くイメージの変わる色だなと感じました。

 

黒という色自体にはポジティブもネガティブもなく

ただ黒を見た時の自身の気持ちのあり方だという視点で

考えると、何となく俯瞰的に色を捉えられるような気がしました。

 

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