「見えている世界のこと」
ずっと、世界の見え方は一つではないと感じていました。
でもそれをうまく言葉にできたことはありませんでした。
例えば朝と夜。
静けさと激しさ。
優しさと痛み。
人はつい、どちらかを正しいものとして分けようとするけれど
私は昔から、その境界が曖昧なものに惹かれてきました。
綺麗な感情だけでは、人はできていないし
強さだけでも、生きていけない。
揺れていること。
矛盾していること。
言葉になりきらない感覚。
そういうものの中にこそ、その人だけの存在が滲む気がしています。
だから私は、作品を「答え」として描いていません。
まだ整理されていない感情や、形になりきっていない揺らぎを
そのまま残したいと思いながら描いています。
陰と陽、孤独と愛情、不安と希望
——どちらかを消すのではなく、二つで一つとして在るもの。
そういうテーマが、自然と作品に流れ込んできます。
動物を描くことが多いのは、そこに「無邪気さ」を感じるからかもしれません。
無防備で、まっすぐで、でもどこか儚い。
言葉を持たないからこそ
存在そのものが滲み出ているように見える瞬間があります。
私にとって絵を描くことは、何かをうまく伝えるためというより
内側にある感覚を確かめる行為に近いです。
言葉になる前の感情や、まだ輪郭を持たない気配
——そういうものをすくい上げるようにして、作品にしています。
この場所では、作品そのものだけでなく
制作の背景にある感覚や、日々の中で見えてきたことも少しずつ残していこうと思っています。
もしここで、まだ名前のついていない感情や
自分の中にあった揺らぎに触れる瞬間があれば
——その絵は、あなたのそばに置いておけるものかもしれません。
気になった作品があれば
そっと覗いてみてください。
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