ギャラリー#1010ジャンルレスグループ展Intersection12 吉乃モカ作品紹介
この作品は2021年9月に開催された愛知県名古屋でのIntersection12の展示会での出展作品になります。
本当は別の作品を展示作品にしようかとおもっていたのですが
描いている途中で
「何か違う、自分らしく描けていないな」と違和感を感じて
また、違う構図の絵がふと浮かんだんです。
勇気がいりましたが
ほぼ完成までしていたの絵を没にして
新しく頭に浮かんだ絵を描いていくことにしました。
せっかく描いたのにとも思いましたが、自分が納得のいかない違和感のある作品を見て頂くのは不本意ですし、
見る方にもそれは伝わるなと思ったので
そして完成したこの作品
「それぞれがそれぞれの世界でひとりぼっち」
F4サイズ(333mm×242mm)
アクリル絵の具
キャンバス
自分が認知している世界と相手の認知している世界は必ずしも同じじゃないなあと感じていて
それぞれ生きてきた境遇が違うために全く同じ認知でいる人はいない
そういう意味で「ひとりぼっち」としました。
ですが同じ認知でないからこそ違いを知る事が出来る。
あなたにしかみることのできない景色がある。
違いがあるからこそ私がいて、あなたがいる意味がある。
なので一人ぼっちだけれど、独りではないのです。
ひとりというのはネガティブにも感じますが
ひとりだからこそその人の価値観で夢を見たり、自由に世界を創造できる楽しさがあって
それを相手に伝える楽しみ、違った見方を知れる喜びがあると感じていて
そういったものを表現しました。
「クオリア」
SMサイズ(227mm×158mm)
アクリル絵の具
クオリアとは直訳すると感覚質
この絵を描くきっかけになった「メアリーの部屋」という話をご紹介します
メアリーの部屋(Wikipediaより)
白黒の部屋で生まれ育ったメアリーという女性がいる。
メアリーはこの部屋から一歩も外に出た事がない。
つまりメアリーは生まれてこのかた 色というものを一度も見たことがない。メアリーは白黒の本を読んで様々なことを覚え
白黒のテレビを通して世界中の出来事を学んでいるメアリーは視覚の神経生理学について世界一線レベルの専門知識を持っている。
光の特性、眼球の構造、網膜の仕組み、視神経や視覚野のつながり、どういう時に人が「赤い」という言葉を使うのか、「青い」という言葉を使うのか、など
メアリーは視覚に関する物理的事実をすべて知っているさて、彼女がこの白黒の部屋から解放されたらいったいどうなるだろうか。
生まれて初めて色を見たメアリーは
何か新しいことを学ぶだろうか?
仮にメアリーが何か新しい事を知るとしたら、定義よりそれは物理的な事実ではない。
その場合 唯物論(物理主義)は偽である。
つまり、白黒しか実際に見たことがなかったメアリーという科学者は
(知識としては知っていた)色を初めて見た時何か学ぶことはあるのか?という話です。
この「何か学ぶこと」という感覚的なものがクオリア(感覚質)というものなのです。
この絵も初めての色に包まれたというイメージで描いているのですが
その時この女の子はどんな気持ちを感じているのか
見ている方にも想像して頂けたら嬉しいです。
なお、こちらでも見ることが出来ます
引用URL
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AE%E9%83%A8%E5%B1%8B